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「こちらです。どうぞ」
上部に、ステンドグラスが
施された大きな引き戸を開けると、
10畳ほどの部屋があった。
その正面には、揃いの椅子が6脚
重厚感のある木のテーブルを
取り囲んでいる。
奥には、出窓見えた。
「お邪魔します」
部屋へ入ると、左手には
庭に続く大きな窓があり、
その角の暖炉には
小さな炎がゆらめいている。
入ってすぐの白い壁沿いには
階段のように、段違いになっている
ディスプレイラックがあり
水晶の原石や、背表紙が立派な本
それとロウソクなどが
まばらに置かれていた。
「どうぞ、腰かけて」
声をかけると、志音は
右奥の仕切りの奥に消えた。
優莉は、ひと通り見まわすと
カバンを隣の席に置いて、
大きな窓の傍にある椅子に
腰を掛けた。
窓の奥には
花こそ咲いてはいないけれど
ホームページで見た通りの
庭が広がっている。
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