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翌日。
大地を連れて、私と理は歩いて、怪我をさせたという相手の男の子の家に向かっていた。
担任の浜崎先生からは、先方はそんなに怒ってはいないそうで、謝罪も最初は不要だと言われてしまった。謝罪は断られてしまったけれど、私はやっぱりちゃんと、目を見て謝罪をしたいし、大地も本人に謝りたいと言ってくれたので、浜崎先生にお願いしてなんとか先方の都合を聞いてもらって、会ってくれることを了承してくれた。午前中の短い時間であれば、会っても良いと言うお返事を頂きました。
私と理は午後から仕事に行くことにして、午前中は大地を連れて相手の家に謝罪をしに行く。
理には髭を控えめにしてもらって、髪もちゃんととかして、ネクタイもしっかり襟元まで結んだ。
「くるし…」
理はそう言って眉を顰めて、ネクタイの結び目を緩めようとしている。私は大地の肩を抱きながら、
「理、やめてよ。今回謝罪だからね。ネクタイ緩めたりしたら…誠意伝わらないわ」
と言って理を睨みつけると、大地もため息をついて理を見上げて、
「誠意、大事」
と冷たく言うと、理は「あ?!」と言って大地の頬をつねった。
「誰のせいで行くと思ってんだ??あ??」
「イダイイダイイダイ…」
「やめなさい、二人とも」
私はため息をついて理の手をパチっと叩くと、理は辺りを見回して、
「タバコ…」
と呟くと、私はさらに理を睨みつけて、
「ヤニ我慢!!」
と冷たく言うと、理は大袈裟にショックを受けた顔をした。
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