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ごく普通の土曜日の朝。
背後から迫る人の大群。
どうやら俺は、指名手配犯になったらしい。
──犯罪者肯定法。
そんな法律ができたのは、つい最近のこと。
「いやー、国家パイ先たら行動が早い。俺、惚れちゃいそう」
「ふざけたこと言ってないで、もっと速く走りなさいよ‼︎」
「この馬鹿カイ‼︎」と、俺ことカイを罵倒しながら隣を爆走しているのは幼馴染のミユ。
俺は首を傾げる。
「てか、ミユは関係ないのになんで走ってんの? 帰ったら?」
「な、なんでって……!」
ミユは無駄にいい声で「幼馴染が困ってたら助けるのは当然じゃない?」と、こちらにウインクをとばしてきた。
俺は空を見上げる。
「それにしても、みんな足速いなー」
「スルーしてんじゃねえよ‼︎」
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