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「ところで、忍者としての活動ってのは何してるんだよ」
何故か専務の部屋の応接セットに座り、珈琲を飲む3人。
勿論、珈琲を入れたのは祐一である。
因みに珈琲は秘書の控室に、備え付けの簡易キッチンがありそこの戸棚に珈琲豆や真新しいドリッパーや珈琲ポットやらが納められていた。
作為的な何かを感じ取ったのは祐一だけだろうか・・・
「俺は、海外に行ってますね、主に映画のスタントやってます。あ、勿論顔出し無しの契約で。その辺りは日本よりずっとしっかりしてるんで」
ははははと笑う祐一。
「お前、まだスタントマンやってたのか?」
「凄い〜・・・」
少々呆れ顔の隼雄社長と、目をキラキラさせる樹専務。
「日本はちょっと契約が甘いというか、お国柄でしょうかね。現場が結構な頻度で、なあなあになりやすいので芸能界には2度と近付きたくないですね・・・」
実にしょっぱい顔になる祐一を見て、騙されてテレビ出演したからなあ〜 と哀れむ顔の残り2人・・・
「まあ、そうだなあ。海外だと、間違いなく違約金が発生するだろうから契約は守るよな」
腕組みをして隼雄が頭を傾げて考える。
「まあ、ウチの会社は副業オッケーの会社だから、何やってもいいんだけどね、結婚するんなら危険な仕事は控えめにしたほうが良いかもね」
樹は麗奈と祐一の結婚後の事を考えているようである。
「いえ? 別に危険じゃ無いですけど」
ちょっと天井を仰ぎ見て考える祐一。
「崖から飛び降りたり、爆破シーンで跳んだり、車やバイクでカーチェイス位しか無いんで。偶に殺陣と乗馬があるくらいです」
「「充分危険だよ!!」」
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