お昼休みの怪

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お昼休みの怪

 1階の受付に麗奈を迎えに来た祐一だが、もうひとりの受付嬢が引き攣り笑いでレナにサムズアップをするのを横目でチラリと見てから、会社のロビーを一緒に歩く。 「受付の田淵さん、どうかしたの? 何か具合悪いのかな〜 顔色が悪かったね」 「え。えと、ちょっとしたカルチャーショックがあったみたいですね」  因みに、私のこの薬指を飾るダイヤの指輪のお値段を・・・  と、聞きたいような、聞きたくないような・・・  詳しそうな田淵が引き攣る様な値段なんだろうな〜 と察する事がやっとできた麗奈は明後日の方向に目を向けた。 「御昼、社食でいい?」 「あ、私お弁当作って来ました祐一さんの分も」 「え、凄いな何処で食べようか?」  嬉しそうに笑う祐一にキュンとなる麗奈。 「敷地内の中庭に行きましょうか、あそこベンチも四阿もあるし」  自然と手を繋いで会社の中庭に移動した。  もう、ラブラブ高校生カップル(死語?)のようである。  受付の田淵や桜田が見たらきっと砂糖を吐くに違いない・・・ 「お弁当は自信があるんですけど、量が分かんなくってゴメンナサイ」 「おー」  麗奈の小さい弁当箱に比べると少しだけ大ぶりの弁当箱におかずだけが詰めてあり、後はラップで包んだ大きなおにぎりが・・・ 「大丈夫、上等だよ。これだけあれば夕方迄お腹は空かないから」  ちょっとだけ垂れ目の悠一の目が、嬉しそうに更に垂れてフニャっとなる。  どうも麗奈はこのフニャっと笑う顔が好きらしくその度に赤くなるのに祐一が気がついた。 「ひょっとしてさ、麗奈さんが最初に言ってた、笑うとフニャってなる? 俺の顔がホントに好きなの?」 「ハイ! すごく幸せそうに見えて大好きです!」  赤く染った顔を、片手で隠して 「どうもありがとう」  と、お礼を言う祐一だった。  リア充が爆発しそうで危険である・・・   退避しないといけない。
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