そしてやって来る、嵐を呼ぶ女!

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「じゃーん!!」  四阿の直ぐ横の茂みがガサガサと音がして、誰かが飛び出す。 「きゃあっ!」  麗奈が驚いて叫び、祐一に飛びつくが、祐一はそれを抱きとめながらおにぎりを咥えて観ているだけである。 「何やってるんだい、美奈ちゃん?」  そして平然としたままでお茶を口にした。  どうやら美奈の気配はモロバレだったようである。 「ちぇーっ私じゃ忍者になれないか~!」 「無理」  祐一は一言、そう言うとお茶をズズズっと飲んだ。 「んもう、美奈! びっくりしたよ!」 「お姉ちゃんを吃驚させてもツマンナイんだけど?」  美奈もマイペースだ。 「でさあ、そのエマって女優は可愛いの?」  マックのハンバーガーをぱくつきながら、美奈は祐一達と一緒にベンチに座った。 「さあ? 麗奈さんのほうが綺麗で可愛い」  差し入れのチョコシェイクを麗奈と2人で飲む祐一。  デカいサイズにストローを2本突っ込んで、いわゆるリア充爆発しろ的なアレである。  コレを実の姉にさせる美奈も美奈だが、平気な祐一はちょっとだけ日本人のアラサー男子にしては変わっているのかも知れない・・・  1番照れているのは、当然麗奈である。 「ほらあ、お姉ちゃん頑張ってよ、祐一さん全部飲んじゃうよ?」 「美奈ったら・・・」 「そーそ、お姉ちゃんの貰った指輪を見に来たんだよね。アタシ! ねえ、見せて見せて!」  マックの紙袋に紙屑を放り込みながら姉にくっついて左手を、取って・・・  固まった。 「え、ナニコレ」  ミナも田淵と同じ表情になったのは言うまでもない・・・
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