そしてやって来る、嵐を呼ぶ女!

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 唐突に。  真顔になってスマホを徐ろ(おもむろ)に取り出して、何かを高速で打ち込み始める美奈。 「急にどうしたのよ美奈?」 「ママを呼んだの・・・」 「「何で?」」  と、2人が首を傾げたと同時に茂みの中が発光した。  今日の金髪翠眼美女はネイビーブルーのワンピース・スーツで御登場である。  石川アイーシャ、職業女神様。  麗奈と美奈の母である。 「何よ美奈、今から買い物に行こうとしてたのに。あら、祐一君と麗奈じゃない。今日も仲良しね〜」  2人で仲良くシェイクを抱えて呆然としているのを見ながら、おほほほほと高笑いである。  通常運転だ。 「ママ。あのね」  女神の耳元でゴニョゴニョと何かを、報告する美奈と、それを聞いてガバッ! とこちらを向く女神(アイーシャ)。  ダダッと麗奈に近寄りその左手の婚約指輪(仮)をマジマジと見る・・・ 何か怖い。 「祐一くんコレって」 「? 婚約指輪の代わりですけど、忙しくて作りに行けてないんです。すみません」 「ねえ、コレってローン?」 「いや、一括払いです。ブラックカードで支払いしましたけど? 払い残しとかはありませんよ」  キョトンとした顔の祐一。 「ねえ、お姉ちゃん婚約指輪はコレでいいよね!ね!」  美奈が麗奈にスゴイ顔で迫る。 「え? うん! 祐一さんが初めてプレゼントしてくれた物だし、これがいいって私も思ってたの。祐一さんと私のイニシャルを刻印してもらいに行きたいです。いい?」 「え、それでいいの?」  麗奈が嬉しそうに、そして美奈とアイーシャが引き攣った顔で、ウンウンと頷いた。 「じゃあ、宝飾店に刻印しに行くついでに、ティファニーに行って婚約指輪の代わりに、揃いのデザインのネックレスを買いに行こうか? 多分あっても普通のダイヤだと思うけど」  優しく麗奈に向かって微笑む祐一に、アイーシャと美奈が白目になった。
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