66人が本棚に入れています
本棚に追加
「ユーイチ! イタッ!」
この上何が起こったよ?という顔で振り返る美奈とアイーシャ。
そして正面に視線を向けて、マックシェイクを一緒に吹き出しそうになり咽る祐一と麗奈。
そこに立っていたのは、先刻のエマというプラチナブロンドの女性。
と通訳さん。
更に後ろには、ボランティアの代表と辰夫会長も困った顔をして立っている。
「何? アレが例のアレ? 確かに可愛いけどさ~ ママやお姉ちゃんの方がずっと美人じゃん」
美奈が小さい声でブツクサ言っている。
ツカツカと四阿に進んできて、ガッと麗奈が坐っている方とは反対側の祐一の腕を掴んだ。
ぎょっとしたのは、祐一以外の全員だろう。
『ユウイチ、ずるい。映画がクランクアップしたら日本に帰るって聞いてなかった。デートしてくれって言ったのに何で勝手に帰っちゃうの? 追いかけて日本に来るために仕事だって真面目に取ったのに! せっかく会えても逃げるし。エマのこと嫌いになったの?』
物凄い早口で英語をまくし立てる。
美奈が、口を尖らし不満そうな顔をして。
『アタシの義兄さんに勝手に触らないでよ! 失礼だよ! 姉さんとデートしてるのに邪魔しないでよっ』
そう英語で喚きながら、祐一の腕を掴んでいた彼女の手に空手チョップを入れて、無理矢理その手を離させる。
現役モデルはハリウッド女優に負けていなかったようである・・・
「ああああぁ・・・」
祐一が天を仰いだ。
最初のコメントを投稿しよう!