見たまんま、男前ですからね

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「大丈夫ですから。私には凄いお助けアイテムがありますからね!」  笑顔になる麗奈に首を傾げる祐一。 「田淵さんが、教えてくれたんですよ。祐一さんの女性絡みで困ったときは、コレを見せて、ドヤ顔したら良いからって」  麗奈が左手の婚約指輪を祐一に見せる。 「効果テキメンですよ! 蜘蛛の子を散らすみたいに皆んな逃げていきますからね!」  よくわかっていないが、成程? と一応納得した祐一。 「この間のエマさんも黙って引き下がって帰っちゃったでしょう? ホントに祐一さんに助けられてますよ〜!」  いや、トラブルを引き寄せてるのは俺なんじゃないかな? とも思ったが、祐一は黙っておくことにした。  麗奈さんに嫌われたら死ねる。  切実である・・・  祐一のマンションに一緒に帰ってきて、2人で台所に立って夕飯を作る。  ここ10日位はずっとこんな感じで、外食もコンビニ弁当も殆ど食べなくなった。  土日は車で一緒に大きな食料品店に買い出しに行って、平日は夕食を一緒に作って食べ、麗奈をマンションに送っていく。  何もそういう約束をしたわけでは無いのだが、自然とそうなった。  祐一は結構、というか、かなりこの生活スタイルが気に入り、幸せを感じているのか、物凄く色艶が良くなったようだ。  なんかこう言うと犬猫みたいだが・・・  色艶が良くなったついでなのか、時折伊達眼鏡をノンフレームのヤツのまま他フロアをうっかり出歩くせいなのか、社内人気が微妙な爆上がりを見せているようで先刻のような輩が出没するらしい。 「元に戻したい・・・」  麗奈の話を聞いて妙に落ち込む祐一である。
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