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「ただ、思うんですけど、祐一さんの実家に行ったとき、『寄り合い』の皆さんが急にやって来ましたよね?」
麗奈が思い出してニッコリ笑う。
「あんな風に皆んなが、祝福してくれるのはいいなあ~って思ったんですよね」
「へえ、そうなんだ」
祐一は、ちょっと考える。
祐一の実家である里は、お節介な爺婆を始め、皆んながあんな感じで何かを理由にしてどんちゃん騒ぎを始めるのが当たり前なのだ。
これも麗奈の、『母が女神だから』というの弊害と同じだ。『当たり前』の素晴らしさは、離れたり失ってからじゃないと当人はわからないものなのだろう。
「じゃあさ、人前式ていう手もあるから考えてみる? 自分達でやることがちょっと多いかもしれないけどさ」
祐一が、ちょっとだけ照れたように垂れ目をフニャっとさせて微笑んだ。
『ひゃあああぁ〜!』
増々萌える麗奈である・・・・
「あ、そうだウェディングドレスなんですけど、美奈がデザイナーさんが作りたがってるって言ってるんですよね」
「デザイナー?」
「美奈が専属で契約してる所なんですけどね。何度か事務所にお邪魔したことがあって、スカウトされそうになったんですよ。でも興味は無いから断ったんです」
「麗奈さんらしいね」
可愛いと美人を両立させたような麗奈だが、あまり目立つ事は好まない傾向があることに、祐一は気がついている。
その辺りもこの2人は似た者同士なのだろう。
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