批評について

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 で、批評っていうのは私が考えるに、いかに作者の意図を汲んで褒め、無意識の部分を指摘するかという作業なんですよね。考えるべくは、その作者が何を狙いとしてどういった選択をしたかという、そこですよね。意識的に取った選択と無意識で取った選択では明らかに描写が変わってくると思うんですよ。    適当に思いついた比喩を使うのと、物語の雰囲気や流れに合った比喩を考えて使うのでは大違いです。細かな描写一つ一つが世界観を作るんだと思うわけですよ。これは小説の全ての要素においての話ですけどね。  いや、熱いですねえ。何やら熱弁かましてしまうわけですが、すみません。まだ続きます。  つまり、物語全体を感じた上で浮いている部分、意図せずに現れてしまった効果。  このあたりが指摘のポイントになるように思います。ただ、ここがなんとも言えないところで、その効果が、何かの役に立っている場合もあると。個性というのはそんなものですよね、無意識の癖が作り出す歪みなんですよ。だからむやみにそこを直すように言っていいのかというとそんなことはないんだろうなあとも考えてしまいますね。
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