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返ってこない大切なもの
「すぐ返す」
その言葉と共に、私は三人の同級生にゲームを各一本ずつ貸した。
……だが、その言葉が守られることは無く、返ってくることは無かった。
この時の行いは私としても愚かだったと反省している。
三人とはそんなに親しくも無かったし、じゃあ何故ゲームを貸したか?
貸してと言われて、私も断れなかったからだ。
三本のゲームはプレイは最近ほとんどプレイしていなかったが、思い出のあるゲームなので、返ってこないと分かった時は『大切なものは盗まれました』そんな気分にさせられた。
正直落ち込んだし、嫌な気持ちにもなった。
だが、私は三人を恨むことはしなかった。
失ったものを嘆いても時間の無駄だし、買い戻すなりすれば良い。
加えて、三人の人生はロクなものでは無かったからだ。
『大切なものは盗まれました』だが、人に物を貸す際は気を付けろといういい教訓になった。
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