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教会を出て最初にやる事
教会を出た私は近くの公園にいた。
「5年働いてこれっぽっちかぁ……」
袋に入っていた退職金の数枚の金貨を見てため息を吐く。
これでも色はつけてくれたんだろうけど5年間の報酬にしては少ない。
「田舎には帰りたいけどこれじゃあ帰れないよ、稼ぎながら帰るしかないかぁ」
前途多難とは正にこの事だ、私の故郷は国境沿いにあるのでかなり遠い。
+山の中にあるので中々人が来ないので馬車も通らない。
買い物するには麓の町まで降りなきゃいけないし不便極まりない。
まぁ、そこにどうしても帰りたいか、というと王都よりはマシだ。
都会の風は私には合わなかったのだ。
「さて、ここでボーッとしてても仕方がないから行動しますか」
考えても仕方がないので私は早速行動を開始した。
まず、私がやるべき事、それは……。
「はい、焼肉定食お待ちどう」
「やったぁ、久しぶりのお肉だぁ~!!」
私は久しぶりのお肉に小躍りしそうなぐらいテンションが上がっている。
この香ばしい匂いとジューシーな見た目……、見てるだけでよだれが出てくる。
何せ教会にいた頃はお肉は禁止だった、神官や司祭達は食べていたけどね。
私は食材の調達もやっていたからそこら辺の事情は知っている。
他にも甘い物も禁止だけど貴族御用達のスイーツ店のケーキを神巫女様やその取り巻き巫女達が食べていたのも知っている、暴露したら絶対暴動起こるだろうな。
そんな事を考えながらも私はフォークでお肉を口に放り込む。
噛めば噛むほど口の中に肉の脂が広がっていてなんとも言えない嬉しさで表情が緩む。
あっという間に完食して食堂を後にした。
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