愛人オメガは運命の恋に拾われる

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千歳の勘違いではなく、これは毎日店に立つ宇野木も証言している。 「どうしてそう意地を張るんだ。俺がいるときくらい、別にいいだろう」 「意地なんか張ってません! 意地を張っているのは……レグのほうです。平日の買い物はレグがいないから慣れておかないと。過保護にしないでください」 「お前はよく一人で突っ走るのだから、過保護にもなる」 レグルシュの片手には買い物袋が一つ。 千歳とレグルシュの間に、もう一つが宙ぶらりんになっている。 葉物の野菜と卵しか入っておらず、軽い。 「レグは……鈍感過ぎます」 「はあ? ……だからそれは。気付かないのは悪かったし、千歳が言い出しにくいような空気をつくったのも、俺の責任だ。まだ不満があるのか。あるのなら今ここで全部言え」 鈍感過ぎるのは、自身の魅力についてだ。 芸能界にいてもおかしくないくらい、恵まれた容姿をしているのに、レグルシュは「見た目が物珍しいだけだろ」の一言で、ばっさりと類まれな美貌を切り捨ててしまう。 千歳の言いたいことは伝わらず、レグルシュは妊娠に気付かなかったことを謝罪する。 「それは、もういいんです。僕のほうが悪いですし。……疑うわけではないんですが、最近、お客様がレグの話ばかりするから……」 「だから何だ?」 「……だから、その……ですね」
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