愛人オメガは運命の恋に拾われる

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レグルシュは母親の姓になり、周防 レグルシュとなった。 そして、千歳も籍を入れ、周防を名乗っている。 「まぁーま」 「うん? パパとちょっと待っててね」 千歳はキッチンで息子用の食事を取り分けながら、言った。 一歳を過ぎ、ミルクから少しずつ離乳食に切り替えている途中だ。 味になかなか慣れないのか、そっぽを向かれることも多いが、たまにユキに負けないくらいの食欲を見せ、千歳は毎度驚かされる。 斗和(とわ)はレグルシュの腕の中で、「やあぁー」と叫んだ。 レグルシュはクリーム色の頭を撫でながら、何やら斗和に語りかけている。 千歳もテーブルにつくと、レグルシュは斗和に離乳食を食べさせると言った。 「仕事の時間は大丈夫?」 「ああ。今日はゆっくりだからいい」 レグルシュは育児に積極的で、一人息子を目に入れても痛くないほど溺愛している。 在宅の仕事と家にいる時間は減り、「斗和に忘れられたらどうしよう」と、本気で悩んでいるほどだ。 なので、空いている時間は、斗和にべったりくっついている。 純日本人よりも多少色素の薄い千歳と、ハーフであるレグルシュとの子供。 斗和は二人の外見をそれぞれ引き継いでいる。 瞳はグリーン系とブラウン系が混ざり、オリーブのような深みのある色だ。
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