4人が本棚に入れています
本棚に追加
まー君が私の両肩をくるっと回して自分も外に出る。
「今日はドライブです」
「え! 今日は帰らないって言ってこないと!」
家に戻ろうとする私を慌てて止めるまー君。
「日帰りです!
22時には帰すよ」
それじゃ今までと変わんないじゃん!
「もう朝まで一緒にいても捕まんないよ?」
まー君が私の肩に手を置いた。
「おじさんとおばさんにとっては、法律が変わろうといくつになろうと笑ちゃんが大事な子供であることに変わりはないんだよ。
自分たちの手を離れても変わらず大事にされていくって、俺に任せていいんだって安心してほしい」
『自分たちの手を離れても』『俺に任せて』って、それってつまり!
「ねえ、ドライブってもしかして」
行き先は区役所? それとも式場の下見?
まー君が優しく頷いた。
「助手席へどうぞ」
腕を組んでも振りほどかれなくて、そのまま階段を下りる。式の予行演習みたい!
「今日から私は相田笑里になるのね」
「落ち着いて! いずれなるけど今日じゃない!」
最初のコメントを投稿しよう!