【14】

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《Side:Ryo.K》 片平裁判所の跡地は笹原の言った通り、立ち入り禁止の看板が立てられていた。 全体的に煉瓦色の壁はしばらく手入れされてないせいか所々黒ずんできており、ヒビも入っており、壁とアスファルトのすきまから雑草が生えている。 俺は何気なく建物の周りを一周してみようと足を進めた。 「誰だ!?!?」 建物の角を曲がった所で奥から声をかけられた。 俺は驚いて足を止める。 そしてその声の主を認識して、もう一度驚く。 相手も驚き、俺と全く同じ顔をしている。 「宰明さん…?」 宰明さんは帽子を被り、サングラスをかけていた。 俺は後退りしたい気持ちになった。 どうして宰明さんがーーー。 「凉君……どうしてここに……」 なんと答えるべきか迷って、俺は左下に視線を逸らす。 とうしよう…正直に、深月の件で笹原に呼び出されたと言っていいものか。 笹原の指示は、必ず1人でここに来い、と言うものだったからだ。 「俺が呼んだからですよ」 そう声が聞こえるや否や、俺も宰明さんもほぼ同時に声の方に顔を向けた。 視線の数メートル先に、白いTシャツを着た笹原が立っていた。 イージーパンツを履き、靴はスニーカーと、随分とラフな格好だった。
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