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今の『私』
あの夜から少し経った。
あの後、姉さんは自分の家に帰って現在は治療を受けている。
姉さんのあの言葉が会ってから私は『誰かに届くような物語』を意識して、書くようになった。
だからか最近は、書き方が変わったという声を多く頂いている。
姉さんが言ってた、自分にしかできないことを数える……はじめは無いかと思っていたが、案外探してみれば些細なことでみつけられるものだ。
例えば物語を考えること。
人が何人いようと全く同じ作品ができることはない。
その一人一人のオリジナリティがあるからこそ、作品は輝く。
姉さんが言いたかったことは多分、そういうことなのだろう。
私自身が姉さんの言葉をどう受け取ったのかは、よくわからない。
でも、前よりかはいい方向に向かってきているんでは無いかと思う。
私の作品で誰かの心に届かせることは私にしかできないことだ。
だから今日も私は夜遅くにパソコンに向かって、物語を書く。
私が紡ぎ出した物語が誰かの心に届くように――。
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