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「そないに言うねやったら今直接電話すれば良ぇやん。自分も直接断られた方が、俺から言われるより納得するんと違うの」
どこからくる自信かは知れないが、ここで確認されてもヴァイス署陰契課部長のジョシュアは、必ずケーニヒからの申し出を断るものだと確信しているようだ。
シェイカーも、半ばはらはらしながら見ていたが、オフィーリア自身からこれ以上の口出しを拒まれたのだからと、取り敢えず様子を見る事に徹する。
すると、その言葉を待っていたかのようにケーニヒは即座に懐から携帯を取り出すと、本当にジョシュアへと電話をかけたようだ。
「……私だが」
ジョシュアはすぐ電話に出たようで、そこからしばらく二人での会話が繰り広げられる。
「ああ。君のところの、凄腕の刑事だな。……そう。そうだ」
ジョシュアが何と返しているのか、生憎とそこまでは分からないのだが、その間にもオフィーリアは、戦闘で乱れた衣服を整えて、帰り支度まで始める始末だ。
そうしている内に会話が終わったのか、携帯のフリッパを閉じたケーニヒが、まるで苦虫を噛み潰したような表情になる。
「……」
「どないやった?」
なかなか答えを報告してこないケーニヒに対して、自信ありげなオフィーリアが先を促す。
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