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「うむ……。前回イレブンジーズ達をこちらへ寄越したのはただの気紛れで、二度とうちの署員を手放すつもりはない、と。開口一番きっぱりと言われてしまった」
「せやろ。これで納得したかいな?」
「うむ。仕方ない。今回は諦めよう」
さすがのケーニヒも、他ならぬジョシュアからすげなくされては、もうどうしようもないのか、すごすごと大人しくその場から引き下がる。
道場からいなくなるまで背中を見詰めていたオフィーリアだったが、やがて今度こそ興味をなくしたように息を吐いた。
「ほな、俺もう帰るわ。邪魔してもうたな」
「えー? もう帰っちゃうんですかぁ? 寂しいですぅ」
と、空気が読めないんだか何だか、とにかく明るい調子で、帰ろうとするオフィーリアを引き留める。
だが、以前ちょっとした事でオフィーリアと絡み、充分過ぎるくらいにその恐ろしさを理解しているイースタン親子としては、一刻も早く退散してもらいたい相手であるので、引き留めるなよマジで……、とか思いながら視線だけでシェイカーに助けを求めるのだ。
シェイカーの方も、苦笑しながらも声をかける。
「オフィーリア、本当に用事は、うちの署員に喧嘩を売る事だけだったの?」
言われたオフィーリアの動作がぴたりと止まる。
既に道場の出入り口まで辿り着いていたのだが、すぐさま踵を返すと、小走りでシェイカーの元へと戻ってくる。
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