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「あかん! ほんま本題忘れるとこやったわ!」
「あ、やっぱり用事はあったんだ?」
「せや! ヴァンの木瓜がおらへんさかいに、すっかり忘れてもうてからに」
珍しく慌てた様子のオフィーリアが、懐から可愛らしくピンクのリボンと水色の小袋でラッピングされたプレゼントを、シェイカーに手渡した。
「……これは?」
持ってみた感じ、比較的軽い物のようだが、こんな風に可愛らしくラッピングされている物をアンダーテイカーに手渡すとは、到底思えない。
それ故当然されるであろう質問であったが、返ってきたのは嫌そうな表情と、心底不機嫌そうな声音だった。
「俺がヴァンにこないなもん、渡す訳あらへんやろ。これはホプキンスにや。ほら、いつか言うたやん。プレゼント渡しにくるて」
「あ、あぁ。あれか」
あの時もあの時で大変だった記憶があるので、とてつもなく鮮明な思い出として残っている。
確かその際は、何も知らなかったイースタン親子が、オフィーリアが繰り出す洗礼の犠牲になった筈だと、乾いた笑いを漏らした。
「思い出したくないねぃ」
「く、黑歴史……」
イースタン親子も思い出したのか、エルファリスの頭にクエスチョンマークが浮かぶくらいには、二人共に苦悶の表情で呻いている。
だが、当の本人は周囲の苦しみなどどこ吹く風で、実に爽やかな笑みを浮かべながら続けた。
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