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「探偵さん、秘密は守ってくれますね?」
「守ります!それが私の仕事です!」
あ、つい合わせてしまった。
「ならば良い。此度の事は墓場まで、持って行くぞと覚悟されたし」
西園寺氏の表情が険しくなるに連れ、外は雲行きが怪しくなる。
ビュウウ……
ガタガタ、ガタガタ……
強くなる風にプレハブ倉庫のトタン屋根がリズミカルに音を立てる。
忘れてた、釘が取れてたんだ。修理しなきゃ。
「これこそは、私が作った魔の薬……」
ガタガタッ、ガタガタッ……
「飲む者の、心の闇を解き放つ……」
ガタガタ、ガタッガタガタ。
ごくり。
「こ、この薬が……?」
「そう、これを……」
ガタガタガタガタガタガタッ!
「これを一錠!
飲めば最高!
胸の妄想!
願う構想!」
ガタガタッ!ガタガタッ!
「夜に変貌!
違う人相!
昼は健忘!
まるで幻想!
心で殺した
孤独な鼓動!
こいつで超えるぜ
困難な行動!」
ガガガタッガタガタッ♪
──ッブフォッ!
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