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ナーガはロストークからずっと西の平原で生まれた。翼竜の一族の中で育ち「天空の竜の魂を受け継ぐ者」の伝説を何度も聞かされた。
ある夜。不思議な夢を見た。
天空の竜が大空を一直線に飛んで行く。
…ああ、ロストークの方角だな…
と見ていると、王宮に舞い降り白い光になって消えた。
夢はそこで終わり目覚めたが、一瞬、天空の竜とそっくりの波動を感じた。
…誕生だ!天空の竜の魂を受け継ぐ者の!…
ナーガは確信した。
…すぐにでもロストークに行きたい!その方にお会いしたい!…
しかしまだ少年の彼が一人で行くにはロストークは遠すぎた。
それにロストークに着いたとしても、「天空の竜の魂を受け継ぐ者」もきっと幼い筈だ。
結局、20年ほどを経てやっと旅立つ事ができた。
ロストークには無事に着いたが、肝心の『天空の竜の魂を受け継ぐ者』は見つからなかった。
「そんな者はいないよ。見た事も聞いた事もない。」
どこで訊ねても答えは同じだった。
…ファーダ様の子孫なら王女か王子だろうし、強力な魔法使いのはずだけど…
ナーガは王宮周辺で聞き込んだが、どうもそれらしき波動すら感じられない。
ナーガはある程度は他人の思考も読み取れるし、魔法使いの波動も感じ取れる。
それでも見つからなかった。
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