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コンビニ弁当は二食目で早くも飽きた。
一人で買いに行き、一人で食べる。以前は好んで食べていたものが物凄く味気なく感じた。温め直してもどこか冷たい。それは、やはり一緒に食べる相手がいないからか。
謙太と話しながら食べる食事はなんでも美味しく感じられた。手料理やコンビニ弁当、買ってきた惣菜だとかは関係ない。他愛ない話をしながら食事をする時間が楽しかったのだ。
同居を始めて半月。
思った以上に謙太の存在は大きくなっていた。これまで一人でどうやって生活していたのか、何故平気でいられたのか分からなくなる。
夜。
夜更かしをする気力もなく、風呂上がりにアルコール度数高めの缶チューハイで晩酌をしてからベッドに入る。
いつもは狭いだの何だのと文句を言いながら二人で寝ているが、今夜は一人。龍之介はベッドのど真ん中で大の字になった。久し振りに伸び伸び出来る。
でも寒い。
足先から冷えていくような感覚があり、龍之介は身体を縮こまらせた。せっかく広々と寝られるというのに、無意識のうちに片側を空けてしまう。
謙太の枕を抱き寄せようとしたところで龍之介は我に返り、ベッド脇に投げ飛ばした。
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