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T・K K・T
全ての女性たちは俺の金が無くなるとともに、潮が引くよう去っていった。RIEもERIもMIDORIもNAOMI、SATOKO、KAORI、AKIKO、CHAKO、REIKO、SAWAKO…
「すっからかんになったなぁ」
真夜中の湾岸ロードの急カーブを親友から借りた赤いGTOで攻める。
夜の帳が黄昏を街灯越しに段々と冷たく染め上げる。
超高層ビルの緊張的に張られたガラス窓に、対向車のヘッドライトが乱反射し、俺の夢と目を暗ませる。
都会の喧騒がクライムしている街中の道路を海のある方向に進む。そのSEA LINE上を網目を這うよう車線変更しながら爆走し、MIDNIGHT DRIVINGを楽しむ。
「快感だ」
助手席から反応は無い。誰も居ないから。
孤独と焦燥と孤高が隣り合わせになる。助手席のバックシートに手を回し、孤高を抱きしめる。
GTOのカセットデッキに無造作に置いてあったカセットテープを差し込む。
BOSEスピーカーから世界に誇る大都市『TOKYO』をイメージするダンシングチューンなナンバーが流れる♪
俺は思わずアクセルベースを踏み込む。BIGな塔が僕の前に仁王立ちし微笑んでいる。俺の顔のすぐ前でチョッパーする。
SEA IS A LADY…リスペクトするK・Tに捧ぐ。昭和64年1月7日。
平静な海、平静な夏が来る…FINAL俳句を1句。
『感情や 詩情を越えて 馳せる夏」
ファイナル575?
ノーthank you
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