ERI RIE

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ERI RIE

「乾杯!」 「チアーズ」 俺は外国人の彼女とカンヌに来ている。見渡す限りのエメラルドグリーンな海と白く眩しい浜辺。 東京での地上げの成果が爆上がりで、こんな優雅な生活がおくれている。時代は俺の後についてきているのではとも錯覚する。 太陽が頂点まで昇り、白い雲と混ぜ合わさり泡となる。そして蒸発し容赦なく降り注ぎ気化する。 「暑い」 俺とERIは白と青色のストライプ柄の日除けパラソル下で『トロピカルジュース』をジェットコースターみたいにクルクル枝分かれしたストローでLOVELOVE飲みしている。 「それにしても暑いな」 「of course」 湾岸沿い遙か彼方のスカイラインをふと眺める。珍しく日本車のGTR。爆音と共にこちらに近づいてくる。開け放たれたパワーウインドウから爽やかな音が漏れ出ている。 「Listening for the happy sounds」 「ああ いい音」 言語が違うが感情は噛み逢う。俺はオレの夏、海、今までの女、青春を語り、外国人の今彼女(イマカノ)は、今可能な限りの感情でスペル片仮名化する。 「ニホンノデンワカイシャノカブガジョウジョウサレタワ」 「そうだな」 俺は給仕係に向い高く手を上げ、指を鳴らし呼ぶ。飲み物をトロピカルジュースから『カシスソーダ』に変え、投資指示カードを握らせる。 時のバブルであぶく銭は腐るほどあった。 もう、これ以上欲しい物は何も無い。全て手に入れた…しかしあの女だけは。 東京で四六時中付け回されている女。『RIE』の存在が気になっている。 「○サなの」と言ってた言葉が頭にずっと引っかかっている。 WAY TO THE SHORE MY LOVER ERI…
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