第11章:ようやくひとつになれた

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第11章:ようやくひとつになれた

 ゆっくり陸をベッドに横たえて、観月は優しくキスをする。陸が観月の背中を抱いてねだるように応じる。観月の温かい舌が陸の口の中を撫でては探る。陸の舌と絡んで、ちゅ、くちゅ、と部屋の中に甘美な水音が響く。  黒のコスチュームの上から体を撫でられ、胸の尖をその布地の上から、爪先でかりかりと引っ掻かれ、陸の体がびく、と跳ねる。こんな平たい、なんの面白みもない胸でも観月は愛おしそうに唇を這わせる。 「ん、んんっ」 「陸はすぐ感じるからなぁ」 「そうなんですか、他のアンドロイドより?」  観月の眉間にぎゅ、と皺が寄る。どうやら失言をした自覚はあるようだ。 「でも、挿れたのは君だけなんだよ」 「え?」 「後からみんなに笑われたんだけど、あの感度実験って挿入まではしないんだって。まだ高校生だったこともあるけど、そこまでやったのは僕だけらしい」 「そうだったんですね」  後から笑われたとか、それは気の毒な気がする。 「好きだった君と結ばれるなんて夢みたいで嬉しかったから」  耳元で囁かれ、陸の体中が解けそうな感覚になる。危うく回路がおかしくなって射精してしまうそうだ。 「ふあっ……はぁ…んっ…」 「陸……、陸……かわいいよ」  身体をたくさん触られて、撫でるようにしてコスチュームを脱がされ、あらわになった肌色をまた愛しそうに撫で、口づけて、舌を這わせる。そのたびに陸はのけぞって、いやらしい声をあげてしまう。 「こんなかわいい姿、太陽にだって見せたくないよ」  そう笑って、観月は枕元のリモコンをとって天井に向ければ、電子音と共に、天窓にブラインドが閉められる。一気に部屋が薄暗くなると、二人だけの世界が訪れた。 「拓也も……」  陸は観月の着ていたシャツのボタンに手を伸ばし、ひとつずつ外していく。その間にも観月は陸の頬にキスをして、首筋に舌を這わせる。ぴく、ぴく、と身体を震わせるたびにボタンから手が離れてちっとも脱がせられない。  ようやくチノパンを脱がせて、露わになった黒のボクサーパンツに陸は手を伸ばした。 「嬉しい。僕でこんなになってくれて」 「当たり前だよ、だって好きな子を抱いてるんだから」
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