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陸の後ろの蕾は挿入に耐えられるようになっていて、興奮すると蜂蜜に似た液体が分泌される。蜜で溢れた蕾を、くち、くち、と指で弄り、一本、また一本と滑らせていく。
「あっ、ああっ、んっ……っ!」
「仕返し」
悪戯っ子のような声音と、すでに勃ちあがっていた陸の控えめな中心を観月は、きゅっと片手で包み込んだ。
「だめっ……」
「前も後ろもびちゃびちゃだ」
「手……っ、止めっ……」
びくびくっと身体を震わせて、のけぞり、陸も射精した。その飛び散った液は観月の身体だけでなく、ピーチスキンのタオルケットにまで及ぶ。
「ごめんな……さい……っ」
陸は、ひく、ひくっ、と身体を震わせながら首を横に振る。
「謝ることなんてない。最高にいやらしかったよ、陸」
「拓也……ぁ」
「ああ、年甲斐もなく、恥ずかしいな」
身体を起こした観月は、陸の双丘に、また熱の戻ってきた欲望を押し当てた。恥ずかしくて涙がぽろぽろ流れていたが、思ってもいない感触に、陸の涙は、ひゅっと止まった。
「嘘。かたい……」
「これ、陸が、自分で中に挿れて」
おずおずと自分の腰をあげ、その硬い先端を蕾に当てる。自分の中に入ってしまう。しかも自分で、だなんて恥ずかし過ぎる。
「焦らさないで。陸の中に少しでも長くいたいから」
「僕だって、ずっと繋がっていたい」
陸はゆっくりと腰を落としていくと、愛しい人のかたちを感じながら自分の中に収まっていく。押し広げられていくのに挟みこんで離さない内壁に、観月が顔をしかめる。
「ああ、陸……ずっとこうしたかった。ずっと我慢してた」
「拓也ぁ、嬉しい。僕の中に、拓也がいる」
深く沈み込んだと思ったのに、観月に腰を揺らされ、より一層奥に穿たれる。
「はぁ……っ」
「気持ちいい?」
陸は声にならず、こくこくと首を縦に振る。
「僕もだよ。でも、もっと気持ちよくなってほしいな」
「ひっ……っ!」
腰をゆっくり、それなのに深く突き上げられ、そのたびに陸の身体が観月の上で跳ね、のけぞる。そのたびに、漏れてしまう声は冷静に解析したら、恥ずかしさのあまりすべての記録を消し去ってしまいそうなくらいに、いやらしい。ベッドが軋む音と、繋がった場所から鳴っている、ぱちゅっ、ぱちゅっと肌が叩き合う水音が重なり、耳が犯されそうだ。
「だめだ、陸。ごめん、もう……」
「僕……もっ、無理、好き、た、くや……っ!」
「うっ……」
びくっと観月の身体が震え、中にじわっと温かい液が広がる。さっき口で味わった、観月の精をここでも感じる。じっとりと汗をかいた身体を、観月が抱き寄せてくる。お互いの身体が熱い。
「しまった。僕としたことが、中で出してしまうなんて……」
「別にいいですよ。気にしないでください」
「錆びる……」
「四十八時間は体内にあっても大丈夫ですので」
「さすが、君の方が計算結果は正確だ」
急に現実的な話題になり、陸は、ふふっ、と観月の胸の上で笑った。
「寝室とシャワールームを繋げてくれって建築士に頼んだんだ。君のために洗浄台も作った」
「用意周到すぎませんか」
「君と僕のための家なんだから、それでいいんだ」
「ありがとうございます」
「君がいればどこだっていいけど、やっぱり二人きりがいい」
「僕もです」
「こうして君を抱いて眠るのが……夢だった」
「アラームどうしますか?」
「僕が……起きるまで」
眠っている愛しい人の寝息を、陸はずっと聞いていた。これから先、このベッドで一緒に夜を共にして、朝を迎える。夢のような毎日を思い描いて、ふふふ、と笑うのだった。
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