第2話 暗闇を駆ける子供達

1/1
前へ
/3ページ
次へ

第2話 暗闇を駆ける子供達

 階段を降りていく  その先に暗闇があっても  足をとめない 走り抜けて  その先に僕を食べる化け物がいたっていいんだ  そいつが この無駄な命を終わらせてくれるなら 「でも今だけは この一瞬を終えるまでは」 「彼女だけは助けたい だから」  死神がいるなら さっさとこの命を奪ってよ  ずっと膝をかかえて 順番が来るのを待っていた  覚悟ならとっくにできている  この生を終わらせる準備も 「それでも それは僕だけの話で」 「死にたくない彼女を犠牲にしてしまうのは間違っているから」  暗闇の世界を走り抜ける  二人生きられる世界じゃなく  一人生きられる世界だけを見つめて
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加