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恐怖
翌朝、10時30分に合わせたスマホのアラームを止め、私は再び眠りに堕ちてしまう。
次に目を覚ましたのは、11時を過ぎた頃で、
私は飛び起き、急いで身支度をした。
そして、佐山さんが車で迎えに来てくれる12時迄には、なんとか間に合わせた。
用意を終えて一息付いた所で、佐山さんからスマホにLINEで着いたと連絡が有った。
私は佐山さんの元へと急いだ。
今この家は私だけしか居ないから、とても静か。
お兄ちゃんは朝からどこかに出掛けたのだろう。
一晩経った今でも、夕べお兄ちゃんに掴まれた感触が腕に残っていた。
これから毎日、お兄ちゃんとどう過ごせばいいのだろう…。
◇
車内の中、佐山さんとはいつものように会話を楽しんでいた。
「とりあえずご飯食べて…、そして、どうしよっか?」
佐山さんは私に視線を向ける。
「えっ、そうだね。
買い物とか?私服見たいから」
「いいよ。
あっ、じゃあ、時計のサイズ直すの付き合って。
この前買った時計ちょっとバンドが緩くて詰めようかと思ってて」
佐山さんは自分の左手に嵌めた時計を見ていた。
確かに少し緩いかもしれない。
佐山さんが手を動かす度、それに合わせて揺れている。
「うん。確かに直した方が良さそうだね?」
「でしょ」
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