応えられない気持ち

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「今日、なんで俺がお前を誘ったか分かるか?」 そう、急に問い掛けられ、お兄ちゃんを見ると、こちらを見ている。 お兄ちゃんの目を見ても、何を考えてるのか読めない。 「―――考えたけど分からないよ…。 ただ、私が暇そうで可哀相だったからかな?って単純に考えればそうかなって…」 「だから誘った、か。 俺はそんな優しくもいい奴でもないよ」 「じゃあなんで?」 「お前の気持ちが佐山に向くのが嫌だった。 引き止めたかった」 その言葉に、やはり私は佐山さんに惹かれて行っているのか、と思う。 お兄ちゃんにも、そう見えているくらい。 「だから、今日は優しいんだ…。けど、そんな事してどうなるの? それにお兄ちゃんだって彼女いるじゃない」 「なんか、どうなるかなんてどうでもいいよ。 ただ、最近無性にイライラするんだよ」 「…お兄ちゃん?」
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