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162.怪しい影
「ふうん」
ケイは、一連の騒ぎを遠巻きに見ていた生徒たちの一番後ろで呟いた。
「あれ? ケイ、何してるの」
騒ぎに集まっていた女子たちが解散しはじめて、そのうちの一人がケイを見て驚きに声をあげる。確か、水系魔法の選択の女の子達だ。
同じ授業を取ったことはなかったけれど、構内でケイに話しかけてきて仲良くなった。ケイを見て仲良くなりたいって言ってきたのだ。
女の子は、そうじゃなくちゃね。
「ううん。何か賑やかだなって。あの子達、誰?」
「ああ、あれ。ウィルとミユとケヴィンだよね。まだ揉めてんだ」
「有名?」
「そうだけど。ケヴィンもウィルも、ミユなんてどこがいいの?」
女の子達が騒ぎ出す。
ケイは、グレード三の笑みを浮かべて「ねえ詳しく教えて」と、頼んだ。
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