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それは、とても蒸し暑い深夜でした。
私は、彼のアパートへ向かいました。
時間的に、団地全てが眠りについている時刻、彼の部屋にも、明かりはついていません。
私は、
私たちの恋路を邪魔をする元嫁に、ひとつ制裁を加えてやろうと考えたのです。
実はこれまでにも、
彼の持ち物を調べて同じものを購入し、匂わせ写真を合成しアップする、などといったSNS上での小細工はやってきていました。
前回のことがあるので、かなりの精神的ダメージを負わせられるものと期待したのです。
ところが今回、元嫁は一向に音をあげませんでした。どころか、SNS自体をシャットアウトし、鍵垢すら見つけられないのです。
これでは、効力がありません。
私は、苛立ちました。
どんどん自分の行動がエスカレートしていっているのは分かっていましたが、止めることはできませんでした。
これまでの人生で、こんなに思い通りならなかったのは初めてのことだったから。
精神的攻撃が効かないのならば、物理的攻撃と、私はステップを上げてしまいました。
4棟ほどが連なる集合アパートには、各戸の郵便受に部屋番号が書いてあります。
私は、その番号が間違っていないことをスマホライトで確認すると、予め用意していた動物の死骸を放り込みました!
え?
そんなもの、どこから見つけてきたのかって?
うふふ。
調べれば、あるところにちゃあんとあるのです。集められた動物の死骸などは、たいてい区の焼却処分場にいきますからね。
それに私は、わざわざリボンをかけて、バースディカードに模した脅迫状を添付しました。
「あの人と別れろ、でないと大変なことが起こるから」
と。
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