2 公開修羅場

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それから数日。 とうとう、直接対決の日がやってきた。 その日、珍しく内勤をしていた私のところに、彼女はやってきた。 受付のカウンターで、たまたま通りかかった若い男性社員を相手に、みっともないほど髪を振り乱し、ヒステリックにがなり立てていたその女が、彼の嫁だというのは、尋ねずとも分かった。 「あんたが"あーちゃんさん"ね!…」 「ちょ、お客様、少し落ち着いていただけますと」 「どうもこうもないわよっ、あの女が…、あの女が… ちょっとあなた、ボケッと眺めてないで、何とか言ったらどうなの?? 私の夫、返しなさいよっ!!」 概ね事態を察した社員クン(梅木君という)は、女を押し止めつつ困ったように私のチラ見した。 興奮し、激昂しているこの女が、紫倉先生(しーくん)の嫁。憐れなサレ妻ちゃん。 なあんて、醜いんだろう。 産後、女としての努力を100%怠り、食うだけ食ってブクブク太った醜い身体。 今日、久しぶりに外に出るために慌てて付けてきたコスメは流行遅れ。 ファッションも、医者の嫁らしくブランド品で固めてはいるが、統一感がなくちぐはぐで、サイズも合ってない。 CHA〇ELのワンピースなど、後ろのホックがはずれるほどパッツンパッツンで、ブタをますますブタらしく見せるアイテムと化している。 心の中で嘲笑しつつ、私はたちあがり、彼女の目の前に立った。 瞳をうるませ(笑)、フルフルと体を震わせる。 「紫倉先生の...奥様、ですよね」
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