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私は、徐に膝を折り、彼女の足下に伏すと、ネイルの爪を綺麗に床に揃えた。
ロングヘアのウェーブをハラハラと床に落としつつ、美しい所作で頭を下げる。
「も、申し訳...ありません。
紫倉先生に..奥様が居らっしゃることは存じておりました...」
一瞬、呆気に取られていたブタが、ようやく正気に戻ったらしい。
ブルブルを頬肉を振るわせながら、再び鬼の形相を取り戻した。
「あっ、あんたっ!自分が何言ってるか、解っているの?!認めたってことはね、こっちは法律であんたを訴えることだって出来るのよっ」
「はい、良く存じております、
奥様のお怒りはごもっともです。
でも...
でも、どうかお許しください。
私達、クスン。ホントに、本当に...
本当に、愛し合っているんですぅっっっ!(wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」
しん、と静まり返ったオフィスに、激情的な私の叫びが響き渡った。
私の開き直りにショックを受けたのか、あんぐりと口を開けたまま、ブタが凍りついている。
「うっ...う、う...」
そのままの姿で項垂れ、目元を抑えている私は、笑いを堪えるのに必死だった。
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