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◆◇◆◇◆◇
「松ぼっくりばくだーん……えっ」
「よぉ、がきんちょぉ。オマエさあ、あたしを誰だと思ってんの」
「ひいぃっ〜!?」
子どもたちと華子の相性は最悪だった。
小学生相手に本気の華子。ボランティアが始まってまださほど経っていないにも関わらず、すでにキッズらに避けられ始めていた。
「おねーちゃん。それ、そっちに投げ捨てちゃダメだよ?」
「え、そうなの? それは、ごめんなさい……」
さらに気の強い子にはガチで怒られてもいた。
威厳は0だし、ここでも浮いている。
その様子を、洗い場で道具の洗浄をしていた可波はハラハラしながら見守っていた。
ボランティアを手伝ってもらうはずが、手のかかる子どもが一人増えただけだった。わかってはいたけれど。
「ぷは! 見てあの人、子どもみたーい! 掃除もまともにできないのに、なにがボランティアするーだっつの!」
隣の洗い場で、里香がケタケタと笑っている。
可波と千織の洗い場にまでわざと聞こえるようにしているのだろう、声を抑える様子はない。
「しっかも次は冒険プログラムだよ。あのふりふりのワンピースと厚底で森に入る気?」
美々も鼻で笑う。
それについては、運動神経のいい華子ならあの服で森に入っても問題はなさそうなので、心配はしてない。
それよりも、可波的には団体行動の方が気が重かった。彼女に協調性があるとは到底思えない……。
隣の洗い場でひときわ大きな声が上がり、ギャルたちが爆笑した。
「ちょっ土塔w あの人アラサー!?」
「まとめブログに27歳って書いてるんだけどマジィ?」
キャッキャとはしゃぎながら、里香と美々が可波たちの洗い場に群がった。
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