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時間はさらに過ぎ、日が落ちて電気が必要になるギリギリまでねばりにねばって。
そろそろ食事の用意をしないと。と、可波は薄暗闇の中、体を起こした。
しかし華子の家の玄関を開けてすぐ、胸がざわついた。
玄関が暗い。
それだけでなく、その奥の部屋、リビングまで明かりがついていないのだ。
彼女は帰ってきているはずだったが、もしかしてまた見誤ったのか。
不安を胸に、電気をつけて廊下を進み、リビングの扉を押し開けた。
途端、ツンとした刺激臭が鼻につく。
黙って部屋の電気をつけると、答え合わせのようにフロアライトが状況を照らし出した。
だらしなくよだれを垂らした華子が、ソファでいびきを立てて寝ている。
「……」
ソファに転がるストゼロの空き缶を拾い、机の上にひとつずつ並べていく。昼間と変わらず真っ白なノートが目に映った。
いつもより強めに、華子を揺り起こす。
「んー……」
眠りから覚めた華子が、小さくうなった。
「なにしてんの」
思いがけず語気が強くなってしまう。
けれど、華子はのんびりと目を開けて「にへっ」と笑い、場違いに舌足らずな声を上げた。
「あー、カナミぃ」
「華ちゃん飲んでるね」
「ぜんぜん、ちょっとだけだよぉ」
「ちょっとって、ロング缶3本空いてるじゃん」
「えへへ、カナミが怒ったぁー」
華子はへらへらしたまま、可波が腕を引くのに身体をまかせ、自分の力で起き上がろうともしない。
しかも、ソファでライブ中に寝落ちしていたらしい。
華子が起きたことでコメント欄の動きが加速した。
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