12話 華ちゃんvsちーちゃん

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  ◆◇◆◇◆◇  寝起きの華子はあくびをしながら、冷蔵庫の前に立っていた。  扉に貼られた書き置きには、ボランティアに行くため夜に帰るということと、食事についての説明が書いてあった。  背中をぼりぼりとかきながら、ふとキッチンの台に目を移す。  そこに小さな包みが置いてあった。 「あれ。かなみん自分の弁当忘れてんじゃんw でも知ーらねっと」  可波も大学生だしバイト代も出ている。都会は店も多いし、その辺で何か買うだろう。  目をこすりながら、キッチンを通り過ぎる。  ふと、リビングの扉の前に落ちたジップロックが目に入った。  嫌な予感がしながらしゃがんでつまみ上げると、中に1000円札が3枚とカードがいくつか、そして小銭がじゃらっと入っていた。 「……あいつ、財布も持ってないのか?」  顔をしかめる。どんだけドジなんだ。  まあ今どきの大学生だ。pay類でなんとかするだろう。 「……ってあのバカ、ガラケーじゃん!」  時計を見上げる。  10時半。  今から持っていけば、昼には間に合うだろう。  昨夜の雑談で、うっかりボランティア場所を聞いてしまった自分を恨む。 「あーもう、絶対に埋め合わせさせたる!」  華子は可波の弁当と財布を、トートバックにぶちこんだ。  そして洗面所に飛び込む。  どんなに急いでいても、支度はしっかりしたいタイプだった。
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