12話 華ちゃんvsちーちゃん

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「えっとね、卵焼きはちょっと自慢なんだよね」  そう言って、千織は箸で卵焼きを一切れつまみ上げた。  そして可波の口元に、さも当たり前のように運ぶ。 「はい!」  期待いっぱいの瞳がまぶしい。  他の子たちに見られているのを気にして可波は戸惑うが、千織は素で、しかも好意100%の行為だということも知っている。  さらに戸惑う。  だけどここは、自分がいかなければならない場面なのだ。  よし、と心の中で気合いを入れて。 「いただきます」  ぱくついて、咀嚼。  半熟の卵焼きはちょっぴり甘くて、可波も好みな味だった。 「あ、おいし。これ朝から作ったの? ちーちゃんすごい」  しかも久々の他人の手料理。  胸がいっぱいになるほど感動してしまう。
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