プロローグ

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プロローグ

『いやぁ、皆。本当にご苦労だった』  故郷を飛び出して2ヶ月。  目的の地に到着すると、そこは人が住めたものではなかった。  しかし、皆のおかげで何とか生活出来る様になった。  これからこの地で、王妃と共に理想的な新しい国を作れば良い。 『何言っているんですか、これからですよ。人が住めるのはまだこの地域だけですし、人口も増やさないと』 『作物を育てる畑も必要ですね。持ってきた食材だけでは、2〜3年が限界です』  皆、口々に意見を言う。  メイドがワゴンに乗せたワインボトルを運んできた。 『ボルドーのワイン!素晴らしい!誰だい、こんな気の利いたことを!』  私は自ら手元のグラスに注いだ。 『ワイングラスじゃなくて残念ね。私もいただけるかしら』  王妃が自分のグラスを手渡す。 『おぉ、乾杯しよう。これからの、この星の、この国の新しい門出に!』  私の乾杯の音頭と共に、皆手元の飲み物を飲んだ。 『うっ…かはっ!』ガシャガシャガシャーン!!  王妃が血を吐き、食器を押しのけテーブルに倒れこんだ。  驚き立ち上がった私は、王妃に向かって咄嗟に手をかざそうとした。  あぁ、今の私ではダメだ!  ひとりの青年に視線を向けたその時、私も血を吐き、目の前が真っ暗になった。  全身の力が抜け、身体が崩れ落ちたのがわかった。  叫ぶ娘やメイドたち。  遠のく意識。  私は…このまま死ぬのか?  何故…何故私が…、何故王妃まで死ななくてはいけないのだ…! 『王様!王様!…ダメだ、亡くなっている』 『いやぁ!お父様!お母様!』
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