78人が本棚に入れています
本棚に追加
/125ページ
1.花のような少年
「綺麗だね……雪」
空を見上げながら差し出す手の平に、雪の花が降る。
それは手の上ですぐに消えてしまうほど儚くて……
微笑む無邪気な笑顔に胸を締め付けられ、ふざけてお前の頭に振りかけた雪。
柔らかな栗色の髪の上に佇む粉雪。
それは少しずつ髪の上で溶けて、濡れた粒になって光る。
「雪の精みたいだな」
綺麗だよ……
俺はただ、お前の儚げな笑顔をいつまでも見ていた。
❅〜❅〜❅〜❅〜❅〜❅〜❅〜❅〜❅〜❅
最初のコメントを投稿しよう!