オーディナリーデイズ10 ニュー イヤーズ デイ

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「サクラを呼べ」 「サクラを出せ」 「早くしろよ」 客たちは大声で言う。 私はベースを持ったまま、その大勢の客の前で額に汗が流れるのを感じた。 「お前らの曲なんてどうだって良いんだよ。早くサクラを呼べよ」 私の足元に空のペットボトルが転がった。それを合図に客席からステージに色々なモノが飛んで来た。 振り返ると宮脇は我関せずとドラムを叩き続けている。 トオルもそれに合わせてアレンジしたギターを陶酔するかの様に弾いていた。 「止めてくれよ」 私は、ベースを下ろし、傍にあったアンプに立掛けた。 「止めろって言ってるんだよ」 私はステージの真ん中に立ったマイクを取り大声で叫んだ。
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