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ひまわり畑のさんげき
ヒノ国に住む少年・ヒグルマの、4つになったばかりの妹をさらっていったのはネズミたちでした。
夏も終わりに近づいたある日、妹は家の畑で自分の3倍も背丈のある、ひまわりを見上げておりました。そこへ来たネノカタス国の軍隊――つまりネズミたち――に、連れ去られてしまったのです。妹は悲鳴を上げましたが、あいにく声の届くところにいた大人たちは皆、自分の身を守るので手一杯でした。
夕方になっても妹が戻ってこないことを知って、ヒグルマは探しに出ました。
なぎ倒されたひまわりの下を探しても、姿が見えません。のどが破れんばかりに呼んでも、返事がありません。足が動かなくなるまで歩いて、ついに目から涙がこぼれました。
ヒグルマの妹も、ほかのおさない子どもたちと同じように、「さらわれた」としか考えられなかったのです。
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