ネノカタスはいずこ

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ネノカタスはいずこ

 ネズミたちの()むという、ネノカタス国への行き方を求めて、ヒグルマは知恵のある人びとをたずね歩きました。  ところが村の長老も、となり村の物知りも、ヒノ国のえらい博士でさえも、それがどこにあるかをはっきりと知りませんでした。 「ネズミたちは地の底に住んでいるのじゃ」 「ネノカタスは、この世のうらにあると聞く」 「死後の世界だと言う者もおるな。いずれにせよ人の行けぬ世界だ。あきらめなされ」  ヒグルマはとほうにくれました。どうしたら妹を取り戻せるのか、見当もつきません。  歩きつかれて足がもつれ、ヒグルマはばたりと道ばたに倒れこみました。鼻の先っちょについた草の、青くさい汁からは苦くて切ない匂いがします。  とつぜん頭に布をかぶせられたように、目の前が暗くなりました。そのまま、やみの中へと落ちていったのです。
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