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「名前を呼べ」 「名前ですか。女神さま、それだけですか」 少年は問い返しました。 「そうじゃ。取り戻したければ、妹の名を呼び続けるのだ。戻ってくるまで、いつまでも、何度でも。名前を……」 女神の声はふつりと途切れ、二度と語りかけてくることはありませんでした。 目を開けると、そこは道ばたの草むらで、いつしか日はとっぷりと暮れておりました。
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