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マリオの心臓はどくんと大きな音を立てました
そんな貧しい人たちの中にマリオという靴職人がいました。マリオは腕のいい職人なんですが、マリオネットって自分では歩かないですね?
ちょっと宙に浮いているような感じで動きます。だから、ほとんど靴が減らないんです。それでマリオは貧しかったんです。
でも、とても陽気で、やさしいこの国の人の中でもとびきりやさしい若者でした。……ところが最近、その陽気なマリオがもの思いに沈んでいることが多かったんです。
王様のお誕生日のパレードのときのことです。この国でいちばんにぎやかなお祭りの日です。
楽器屋さんからすてきな靴を作ったお礼にもらったギターを練習していたマリオもラッパや太鼓に混じってパレードに参加しました。
お祭りの最後に王様からじきじきにねぎらいの言葉をかけてもらったとき、王様のすぐ近くにいたとてもきれいなお姫様を見て、マリオの心臓はどくんと大きな音を立てました。
それ以来、お姫様のことが頭から離れなくなってしまったんです。
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