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マリオは神様に祈ります
身分が違いすぎる。マリオはため息を吐きます。
糸の数だってぼくの倍以上あるし、つやも違う。
ぼくが好きになっても、お姫様は振り向いてもくれないだろう。迷惑に思うだけだ。
どうしようもないってわかっているけど、この気持ちはどうしようもない。マリオは神様に祈ります。
神様、かなわぬ想いなら恋なんかしないようになぜぼくを作ってくれなかったんですか? 今からでもいいから、この苦しいおもりのような気持ちを取り除いてくれませんか?
……そんなことを毎日考えていました。でも、ある日の夕方、仕事を終えてギターに当たる夕陽を見ていたマリオは、意を決したように立ち上がり、部屋を出て行きました。
夕食を終えたお姫様は、自分の部屋に戻ってくると侍女に窓を開けさせて、さわやかな風が頬をなでるのを感じていました。
するとこんな歌がギターの音色とともに聞こえてきました。
あなたが好きだ
あなたが愛しい
ぼくはマリオ
恋するマリオネット
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