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淫らな夜
リシャールはもう片方の手でコルネリアの頬を無理やり掴むと、もう一度口づけをした。少し開けた唇の隙間から、にゅるりと舌が侵入して、あっという間に口腔内を蹂躙する。上顎を舐められ、歯列をなぞられ、口の端から零れた唾液は拭うことも許されない。
――く、苦しいっ……
うまく呼吸ができず、脳内に酸素が行きわたらない苦しさと、一方的に与えられる快感とで、コルネリアの抵抗する力がだんだん失われていく。
ようやく激しい接吻から解放されたとき、頬を掴んでいたリシャールの手は、いつの間にかコルネリアのネグリジェに手を付けていた。
「だ、だめ……、こんなはしたないこと、だめよ……」
なけなしの力で抵抗するものの、成長したリシャールの太い腕はビクともしない。あっという間に一糸まとわぬ姿にされたコルネリアは、形の良い胸を両手で隠そうとした。しかし、リシャールの手がそれをいとも簡単に阻む。
「隠さないで。もっと見せてください」
暗い部屋の中で囁かれた低くかすれた声は、コルネリアが記憶するリシャールの変声期前の可愛らしいものではない。それは他でもない、欲情した大人の男の声だった。
震えるコルネリアの手を握りしめつつ、リシャールは舐めるように肢体を見つめてくる。視線はまず、ふくよかな胸を捉え、そしてくびれた腰と、薄い茂り、そして白くほっそりとした足へとうつっていく。
リシャールに見つめられる場所がカッと熱くなるようで、コルネリアは指の先まで真っ赤になった。
「リシャール、様……」
「……美しい。なんて美しいんだ」
うわごとのように呟きながら、リシャールはわずかな窓灯りを頼りに、コルネリアを食い入るように見つめた。視線で犯されている状況に耐えられず、コルネリアはぎゅっと目をつぶる。
すると、いきなり双丘の尖りに不思議な感触がもたらされた。
「ひゃんっ!?」
身体の芯が震えるような、いままで経験したことない類の快楽に、コルネリアの身体が跳ねる。
見れば、リシャールは舌先でコルネリアの色づいた突起をコリコリと舐めていた。あまりに卑猥な景色に、コルネリアは喉を鳴らす。
「ふふ、コルネリアのここ、美味しいです」
「ああっ、……舐めるの、やめてくださいぃっ……」
「残念。貴女が暴れるから、手は使えない」
妖しいほど美しい微笑みを浮かべると、リシャールはじゅるじゅると音をたてて双丘の先を口にくわえて吸い付く。
その瞬間、頭のてっぺんからつま先にかけて甘やかな快楽が駆け抜けた。たまらず、コルネリアは甘い声を漏らす。
「ああっ、……ふぁっ……」
リシャールは執拗にコルネリアの弱い部分を舐め続けた。弱々しく抵抗しても、息も絶え絶えにもうやめてと懇願しても、リシャールは涼やかに目を細めるだけで、その淫らな行為を止めようとしない。
身体中がフワフワして、自分の身体が自分の身体でなくなるような感覚に、コルネリアは混乱する。
「……こんなの、……し、しらない……」
「むしろ知ってたら困ります。……今から全部、俺が教えるんですから」
「あ、やっ、……はぁん……!」
繋いだ手をほどき、するりと長い指がもう片方の尖りをきゅっとつまんだ。新たな快感に、コルネリアは息を吐く。
連続して与えられる甘やかな刺激を感じるたびに、涙がとまらない。その上、なぜか刺激を与えられている場所とは遠い、腹の奥がうずいて何かがとろりと溢れ出すような、そんな感覚に襲われる。その実、コルネリアの秘所はしっとりと濡れ始めていた。
目ざといリシャールが、それに気づかないはずがない。
「ねえ、コルネリア。ここ、濡れてませんか?」
コルネリアの薄い茂みの奥の敏感なあわいをなぞる。その瞬間、コルネリアは薄緑色の瞳を見開いた。
「んんっ……!」
「はぁ、コルネリアは本当に感度が良いんですね。分かりやすくて、かわいい……」
「そ、そんなことぉ……ひゃんっ……。あっ……」
リシャールの指は、毛の薄いふっくりとした淫唇を辿り始めると、すぐにコルネリアの弱いところを探し始めた。滴る愛液を指にまとわらせ、滑るように柔肉の間をぐりぐりと割って、何度も往復させる。コルネリアは小さく喘ぎながら悶えた。
背中にゾクゾクするような快感がひろがっていく。
しかし、どういうわけかリシャールはコルネリアの一番敏感な部分だけはかたくなに触ろうとしない。あえかな木の芽は、すでに色づいてぷっくらと膨らんでいるのに。
待ち焦がれる刺激を与えられないコルネリアは、むずむずと太ももをこすらせることしかできない。
「り、リシャール様……、あの……」
「ん? なんですか?」
どこかからかうような余裕すらあるリシャールは、コルネリアの顔を覗きこむ。官能と物足りなさでぐずぐずになったコルネリアは、羞恥で頬が熱くなるのを感じながら、とうとう自らその場所に導くように腰を動かした。
ぷっくらした花芽を自らリシャールの長い指に押し当て、ようやく望むような快感を得られたコルネリアは、うっとりと小さく息をつく。
リシャールはわざとらしく目を見開いてみせた。
「ああ、なるほど。……こうして欲しかったんですね」
次の瞬間、長い指がその敏感な部分をゆっくりとなぞり上げた。
「えっ、こ、これ、あっ……んん――っ!」
コルネリアの頭のなかでなにか白い光がはじけた。強烈な快感に身体がガクガクと痙攣する。身体中が沸騰するように熱い。ややあって強烈な虚脱感が身体中を支配していく。
「はあっ、はあぁ……。んう……」
「……もう達してしまったんですね。どれだけ触ってほしかったんですか?」
「……そんなこと、いわないでえ……」
息を切らしたコルネリアが薄緑色の瞳に大粒の涙を浮かべると、リシャールは眼のふちにキスをして愛おしそうにその涙を舐めとった。
「可愛い。……ずっと、こうしたいと思っていたんです」
「……い、つから?」
「雷が怖いと貴女のベッドにもぐりこんでいた時から、ずっと……。ずっと、貴方のことを思っていました……」
「そんなに、前から……?」
「当たり前ですよ。ずっと弟扱いして無防備に俺をベッドのなかに招き入れてくれるから、その危機感のなさにいつも心配になったものです」
「え、ええっ……!」
コルネリアはリシャールの告白に驚いたものの、すぐにそれを気にしている場合ではなくなった。未だにひくつく花芯の下で、たっぷりと蜜を湛えた隘路にリシャールが中指を突き立てたのだ。
ぬぷ、と音を立てながら、コルネリアの媚肉はリシャールを受け入れる。
前触れもなく新たな快感を与えられたコルネリアは、あえやかに息を漏らした。初めて挿れられた痛みもあるが、先ほどの快感の残滓がはるかにそれを凌駕する。コルネリアの子宮の辺りがふたたびズクズクとうずきだした。
きつく締める内部も強ばりをほぐすように、長い指がゆるゆると動く。開いている方の手で、リシャールはコルネリアを抱き寄せた。
「……痛みは、ないですか? ここは、最初は痛いと聞きますから。じきに指を増やします」
「だいじょうぶ……」
コルネリアは息も絶え絶えに頷く。リシャールはくしゃりと顔をしかめた。
「……その蕩けた顔、誰にも見せてはいませんよね? 貴女はお人よしだから、俺以外の男を、閨に招き入れるんじゃないかと、ピエムスタにいる間じゅうずっと気が気ではなかった」
リシャールは隘路の最奥にあるザラザラした部分を、中指の腹でぐっぐっと押した。コルネリアの身体が、意志とは関係なくびくびくと跳ねる。ついに中を探る指は2本、3本と増やされ、静かな部屋にぐちゅぐちゅと淫靡な水音とコルネリアのあられもない嬌声が響く。
コルネリアが感じるたびに、育ちすぎた胸が誘うようにフルフルと揺れた。リシャールは噛みつくようにそのふっくらした双丘の頂にむしゃぶりつく。
二つの快感が同時に襲ってきたコルネリアの視界が一瞬煙ったようにかすみ、彼女はあっけなく2度目の絶頂を迎えた。
「くっ……はぁっ、……ああっ……」
「ああ、こんなに蜜をたらして。たまらないな。……もう少し焦らすつもりでしたが、もう我慢の限界です」
ぐったりとベッドに身体を横たえるコルネリアをぎらついた目で見つめながら、リシャールは乱れたシャツとトラウザーズをさっと脱ぎ捨てる。
コルネリアが目にしたのは、程よく筋肉がついた締まった体と、限界までそびえ立った恕張。
「ひっ……」
興奮した状態の男性器を初めて見たコルネリアは、慄いた。挿入るわけがないと、本能が告げている。
一瞬で逃げ腰になったコルネリアの細い腕を、リシャールはあっさりと捕まえて無理やり引き寄せる。
「……ここまできて、逃げられるとでも?」
「で、でも、リシャール様……」
「大丈夫ですよ。あんなに濡れて感じていたんですから」
リシャールはコルネリアの足を強引に開くと、熱い塊をコルネリアの足の間に押し当てる。
「ま、待って」
「それは、無理なお願いです……」
リシャールは端正な顔を歪め、獰猛で荒い息を吐きながら、ゆっくりと腰をグラインドさせる。蜜でびちゃびちゃになった割れ目を、熱い竿がゆるゆると犯していく。
「あっ、ああっ……」
「ああ、コルネリアのここ、気持ちがいい。……これだけで、イキそうだ……」
ぬちゅぬちゅと粘りけのある水音が二人の間に響く。時々リシャールの先端がコルネリアの花芽を刺激して、コルネリアも次第に快感を植えつけられていく。
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