小説書けないのに作家になりたい

1/2
25人が本棚に入れています
本棚に追加
/205ページ

小説書けないのに作家になりたい

 小説投稿のあれこれを語るエッセイ、始めます。  今回のタイトル「小説書けないのに作家になりたい」  そんな奴いるのか? みなさん信じられないでしょう。  が、確実にここに一人います。はい、私がまさにそうでした。  また読者が減る話になりますが、小説書けない、小説読まない読めないのに作家になりたがった人間の話をします。  私は、子供の頃はそれなりに勉強していました。が、大学で落ちこぼれ、家に引きこもるようになります。  留年を繰り返しなんとか卒業。親のコネで就職。しかし電話ひとつまともに取れない自分は、数年経って、大学をサボったのと同じように出社拒否を繰り返します。  ダメだ。私に会社員は無理だった。  こんな自分にできる仕事なんてあるわけない……そうだ! 小説家という仕事があるじゃないか!  私はプログラムも英語もできず絵も描けない。  しかし文章なら書ける。夏休みの宿題の作文は嫌いではなかった。無駄に文章を引き伸ばし、原稿用紙のマス目を埋めるのは得意だ。三日坊主日記だって何年かに一度、書いている。  漠然としているけど、ドラクエとか三国志など、書きたいもののイメージはある。  行けるぞ!  会社に行かなくても私は生きていけるぞ!  私は、カルチャーセンターの小説教室に、通いました。  まったく小説を書いたことがない人でも書けるようになる、魔法の技を教えてくれるんだろうと期待して。  だって三万円も払ったんだよ。  教室はこんな感じでした。  生徒さんは、与えられたテーマに沿った400字の小説を書いて提出します。そのときのテーマは「色」だったと思います。  先生は提出作品の中からいくつか取り上げ講評し、生徒同士で意見を交換します。  え? 小説の書き方をゼロから教えてくれるんじゃないの?  小説が書けないからお金払って書き方教えてもらおうと思ったのに。  しかもみなさんの作品、ちゃんと400字のなかで小説している。私には全然わからない時事用語、経済用語を出して、都会の働くバリキャリ女子が書きそうなオーラが小説から漂っています。  結局私は、スクールで他の生徒さんの小説の講評を聞いて、みんなすごいなあ、と感心して終わりました。  
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!