51人が本棚に入れています
本棚に追加
幸せの向こう側 ⑨
警察の人も来て事情をきかれていた
あらたくんのお父さんが部屋から出てきた
婦長さんが僕を紹介した
「赤ちゃんが生まれて彼の手によって救急搬送されて来たのよ」
そう言うと
僕の顔を見てお父さんは、僕に深々頭を下げた
「この度は、本当にご迷惑とご心配おかけしてしまいました。すみません。ありがとうございます」
僕は、無言で頭を下げた
今後あらたくんは、どうなるのか心配で婦長さんの顔を見た
「とりあえず退院は、明日に決まっているから乳児院へ行くのは確定。その後は、お父さんとお母さん次第…ね!お父さん!」
と、背中をバンバンたたかれていた
婦長さんは、呼ばれてこの場には
あらたくんのお父さんと慶太と僕
「あの…うちの子が生まれた状況を教えていただきたいのですが…」
あらたくんのお父さんは、僕に聞いて来た
あらたくんが見える新生児室に近いテーブルで
あの日僕たちとあらたくんの出逢いを話した
身体中血が付いた状態の赤ん坊
ネコみたいな鳴き声の赤ん坊
救急隊に僕がお母さんと間違えられた話
高校生の女の子も巻き込んでる話
そして……
お母さんは、いらないって叫んでた話
それを聞いて僕たちがもらってあげるってひっぱ叩いた話
うつむいて黙って聞いてくれてた
「あの……お二人は?」
そう聞かれた時慶太が間髪入れず
「パートナーです。パートナーシップの届け出してあるので夫夫と認識して頂いて結構です」
怖い位の目力で言ってる
「ああっ…そうでしたか、失礼しました。僕らよりよっぽどフウフです」
苦笑いをしてる
「あの…差し支え無ければどうしてこうなったのかお伺いしても?」
僕は、聞いてみた
最初のコメントを投稿しよう!